AIとサムライ

こんにちは。夜はコオロギとスズムシの鳴き声が心地よい季節ですね。

さて、ここのところ新聞などで目にするAI(artificial intelligence:人口知能)と私たち会計士や税理士などのサムライ業についてです。

今年の3月の日経新聞でも、

「AI襲来、眠れぬサムライ 知識から知恵へ」(2017.3.15 付朝刊)

という記事が出ており、会計士や税理士を含めた士業の存在意義が問われる内容でした。

たしかに、今後会計監査や記帳業務のように膨大な会計データから不正などの兆候を掴んだり、大量の領収書などの証憑を読み取らせ、仕訳処理をシステムで自動的に行わせる、というところはどんどん自動化されていくと思います。

そのこと自体は士業にとって脅威、と捉える向きもあるようですが、むしろ単純な業務から解放され、より顧客とのコミュニケーションや判断・提案のための検討に集中できるようになり、提供できる付加価値を上げられる方向に進むのではないかと思います。いや、そうしなければ確かに士業の存在意義はなくなるでしょうね。

あとは、「AI」というものの最終形態についてまだ私は見えていないのですが、どこまで発達するんでしょうね。

いまのところ「AI」と言われているものでもいろいろある印象で、人間が一定の指示や判断基準をシステムに与えた上で、その範囲の中でのみ情報の分析や傾向をアウトプットする段階にとどまっているような印象を受けています。

これが、人間が何も指示や判断基準を与えなくてもまさに人間と同様に物事を考え出して一定の結論を出す、というところまで発達するものなのか、興味があるところです。

あとはそこまでできたとして、今度はAIが出した結論や判断についての責任を法律的にどう位置づけるのか、ここも議論されるのでしょうね。

テクノロジーをうまく使えるかどうかは人間次第、ということだと思いますので、むやみに脅威と捉えずどう利用するか、という知恵が問われていると思います。

 

 

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