消費税シリーズ‐小規模事業者の納税義務の免除規定について②

こんにちは。
相変わらずすっきりしない天気が続きますね。
人と会えばたいていは天気の話題が必ず入る今日この頃です。

さて、今日は昨日の続きで、免税事業者の課税売上高の算定や、基準期間が1年でない法人の留意点についてです。

〇課税売上高の算定についての留意点

・課税売上高には消費税・地方消費税に相当する額は含まれませんので注意が必要です。

・免税事業者は税抜き計算をしない金額が課税売上高となります。

・課税売上高は売上に係る対価の返還等の金額を控除した後の金額です。これには、返品、値引きだけでなく、売上割戻や売上割引なども含まれますので、漏れのないようにする必要があります。

〇年の途中で新たに事業を始めた場合の基準期間の課税売上高について

・個人事業者の場合
年の途中で新たに事業を開始したときなどのように、その基準期間において事業を行っていた期間が1年に満たないような場合でも、その基準期間の課税売上高の金額によって納税義務免除の
規程を適用します。
よって、基準期間である前々年の途中に新たに事業を開始した場合には、その事業を開始した日からその年の年末までの課税売上高が1,000万円以下となるかどうかによって
納税義務の有無を判定することになります。

・法人の場合
個人事業者と違い、基準期間が1年でない法人の場合は、基準期間の課税売上高を1年分に換算して1,000万円以下かどうかを判定します。
例えば、事業年度が1月1日~12月31日までの法人の場合、前々年の4月1日に設立されたとすれば、設立期は4月1日から12月31日で9か月となるため、
前々年の4月1日から12月31日までの課税売上高を9で割って12を掛けた金額が1,000万円以下となるかで納税義務の有無を判定することになります。

〇免税事業者の消費税の還付

免税事業者については、課税資産の譲渡等に係る消費税の納税義務が免除されますが、仕入税額控除が認められませんので、仮にその免税事業者が課税事業者だとした場合に課税資産の譲渡等に係る
消費税額より仕入税額控除の方が多い場合でも還付を受けることができません。
したがって、事業を開始後実際に営業開始までに設備投資が先行する事業者や輸出業者のように経常的に還付が生じる事業者は、課税事業者の選択を届け出ることによって
還付が受けられるようになります。

昨日今日と小規模事業者の納税義務の免除規定について書きましたが、事業者の状況においてあえて課税事業者の選択を届け出るほうが有利となるケースもありますので、
事業を開始する時点の事業計画を考える場合、消費税の有利選択の観点もぜひ加えてご検討ください。

 

 

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