最近の読書事情

こんにちは。今日も朝は冷えましたが、気持ちのいい天気の一日でしたね。

さて、今日は最近読んだ本の中から一冊。

ふしぎな総合商社

著者は三井物産に30年に渡って勤務された方で、外から見て実際は何をやっているのかわかりにくい総合商社について解説してくれています。

2005年から5大総合商社(三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅)の平均連結最終純利益は1000億円を超え始め、現在に至るまで2000億円、3000億円台の年もあり、「ポストバブル時代の勝ち組企業」として扱われることが多いですが、著書が三井物産に入社した1986年当時は「商社冬の時代」と言われる時代だったとのことで、会社全体に自分たちの存在意義が問われているという危機感が溢れていたそうです。

最近の商社が好調なのは資源ビジネスのおかげ、という向きもありますが、それは比較的資源の貢献割合が大きい三菱商事と三井物産にしか当てはまらず、従来の売買仲介型ビジネスから必死に業態変化を模索する中で、資源に限らず事業投資型へのビジネスモデルに脱皮を図り生き残ることができたというその課程を語ってくれています。

「健全な問題意識は、問題を解決する」という言葉が本文の中に出てきますが、社会から自らの存在意義を厳しく問われる中で自分たちが生き残るためには変わらなければならない、という危機感が結果としては現在の好調な業績に繋がっている、ということに非常に説得力を感じます。

これは、会社にビジネスモデルの話だけではなく、われわれサムライ業を含めたすべてのビジネスパーソンに当てはまる話でもあるのではないでしょうか。

ぜひご一読をお勧め致します。

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