こんにちは。今日は午前中は天気がよかったのに、午後は急に天気が悪化してしまいましたね。
さて、一昨日に続いて最近読んだ本のお話です。
アベノミクスによろしく
エコノミストとか、経済学者とか、経済関係の専門家ではなく若手の弁護士さんが書いた本で、各種経済統計という客観的ファクトからアベノミクスによる経済への影響を分析したものです。
分析結果を簡単にいくつか箇条書きすると以下の通りです。
・国内実質消費は戦後最悪の下落率を記録
・GDPかさ上げ疑惑
・アベノミクスの「成果」は本当にアベノミクスによるものか
最初の国内実質消費に関する話は、私が先日触れた記事(2017/10/27付:今って本当に好景気なのか?)での違和感、すなわち「実質賃金は伸びていない」→「だから、消費も伸びていない」というものを裏付けてくれる内容でした。
基本的に著者の方は安倍政権に批判的な方だと思われますが、疑問としている内容の切り口は公開されている政府の各種経済統計を使っているものですので、感情論的なものではなく、野党が堂々と国会質問で使うべきネタといってもいいのではないかと思います。
GDPかさ上げ疑惑についても丁寧に複数の政府統計データから読み取れる歪みを発見し疑問を呈しているもので、これも真偽のほうはどうなのか、マスコミや国会での質問を通じてぜひ議論していただきたい興味深い内容であると思いました。
また現状、経済は株価上昇や賃金の上昇、雇用の改善などアベノミクスにより順調であるという触れ込みが政権を中心としてなされておりますが、それが本物かどうか(例えば株価上昇であれば、年金や日銀による株の買い増し)を検証してくれており、現政権が自らの支持の拠り所としている「好調な経済」が砂上の楼閣ではないかとの問題提起をしている内容ですので、直感的に「今の経済って本当に好調なのか?」と感じておられる方にはぜしご一読をお勧め致します。